石川 慎太郎 さん 角川 千佳 さん
社員は、家族一人ひとりの理解と協力があってこそ働くことができます。会社は社員だけでなくその家族も大切にする必要があると言えるのではないでしょうか。
今回、3/12に山形労働局より子育て支援に積極的に取り組んでいる「子育てサポート企業」として認定された、山本製作所(東根事業所)でお伺いし、どのような取組みをされているかなど、お聞きしました。
社員は、家族一人ひとりの理解と協力があってこそ働くことができます。つまり、会社は社員だけでなくその家族も大切にする必要があると言えるのではないでしょうか。
私たちは家族を大切にする人を「家庭人」と呼びます。社員が「家庭人」となるためには、社内での啓蒙だけでなくバックアップが必要不可欠です。
【バックアップその1:家族との時間を大切に】
当社では子供の学校の行事や地域の行事に積極的に参加するため、シフト休制度や有給休暇の利用を促進しています。
また、社長自ら子供の行事に参加する「家庭人」としての姿は、社員全員の模範となっています。
【バックアップその2:家族の会社への理解】
どのような仕事をどのようにしているのか、家族が知る機会は中々ありません。ないようであるのが、家族と会社の距離です。そこで「家族の参観日」を設けました。
また、新入社員の家族を対象に「新入社員の父兄参観」を行いました。入社して3か月目ですが、成長している姿を見て頂き、新入社員から、ご両親や祖父母の方々に、会社のことを説明してもらうということをしています。
昨年は創業95周年という年でもあったので、社員と家族を交えてのビアパーティと会社見学会を開催致しました。ビアパーティーは社員144名、家族 大人77名 子供63名 総勢284名と盛大に行われました。会社の様子や職務などを社員が自分の家族に説明することで、より家族の方の会社への理解が深まると同時に、社員も家族のために頑張ろうと再確認することができました。
-
「家族を大切にする」をキーワードに父兄参観などが行われているそうです
-
家族を交えてのビアパティー
-
時にはこんなことも!
【バックアップその3:育児制度の充実】
育児休業制度や短時間勤務制度があり、女性の取得率はほぼ100%です。この制度は、もちろん、男性も取ることができます。
当然、育児休暇取得に対し、社内での理解も必要です。「周りに気を使って育児休暇が取れない…」ということがないよう、周囲への協力や業務の調整なども行っています。
「家族と過ごす時間より、会社で働いている時間の方が長い」、会社から給料をもらって生活をする以上仕方のないことかもしれませんが、可能な限り家族との時間を取り、公私共に充実した生活ができるよう、会社からも支援を続けて行こうと考えております。
以前から育児休業制度はありましたが、女性社員の高取得率に対し男性社員はゼロという結果でした。女性の育児負担軽減と社会での活躍促進のためには、男性の積極的な育児参加が必要です。
そこで、男性の育児休暇促進だけでなく会社全体の「働き方」の意識改革を図るため、全社員会議や社内報等に「ワーク・ライフ・バランス」について取り上げました。
積極的啓蒙の甲斐もあり、昨年初めて男性の育児休暇取得に結びつくことができました。7月末から2人目の育児休暇を取得する方がおります。
まだまだ育児休暇を取る男性は多くありません。取得にあたっては、業務の滞りや給与支給についてなどのデメリットが拭いきれず、特に男性は消極的になりがちです。
今後、行政からもより良い対策が打ち出されることを期待すると同時に、当社としても支援できるよう最善を尽くして行こうと考えています。
「しばらくの間職場から離れ育児と向き合うことで、考え方や態度も柔軟になったと思います。子供や家族のためだけでなく、自分自身のためにもなりました」と育児休暇を取得した男性社員は、振り返ります。
育児についての話題は当社では日常茶飯事です。毎日が目まぐるしく回っていて余裕が無い様に見受けられる時もありますが、子供の話をしている時の目を細める仕草からは、大変ながらも充実した生活を送っているのだと感じています。
小学校就学までの子供を持つ従業員について、所定外労働の免除、勤務時間の短縮等があります。また、育児・介護のための時間外労働の制限も設けており、全ての従業員に対し、能力を十分発揮できるよう働きやすい労働環境の整備をしています。
この他にも、保養所利用手当や帰省手当の制度などの利用も推進し、家族との時間をしっかり取れるよう取り組んでいます。
社長自身が率先して子供の行事参加に意欲的なため、社員である私たちも家族のための時間が取り易いと実感しています。
また、このような社内の風土づくりにおいては、総務の担当者をはじめ、全員で取り組んでいます。
育児休職を取得した人がいても「チームワークで何とかしていこう」という風土があると思っています。意識的に動いているわけではないのですが、自然にチームワーク力が出来ているのではと思っています。
制度利用では、特にシフト休の利用や有給休暇の利用により、子供の行事の参加や家族サービスの時間が増えてきています。また、「仕事をする時は仕事をする」、「休む時は休む」といったようにメリハリをつけることで、時間管理の出来る社員、考働(当社の造語:自分で考え働くこと)ができる社員も増加傾向にあります。
まだ具体的には決まっていませんが、福利厚生で、「家族を大切にする」をキーワードに、ブランドプロジェクトを立ち上げて、社員の家族のために変えていこうと考えています。
今後も、働くイクメンが増えるよう、当社としても全力でサポートをして行きたいと思います。