~パパが変われば山形が変わる!~
8月31日(水)山形市保健センターにて、『パパが変われば山形が変わる』をテーマとした講演会とグループディスカッションが開催され、取材させていただきました。
イベント内容
第1部『パパが変われば山形が変わる』
講師 安藤 哲也(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)
はじめに、安藤さんから、少子高齢化の現状と60年後にはさらなる少子高齢化の進展や、労働人口の半減が見込まれるなどの話がありました。また、全国のパパ、ママたちの声を踏まえて、「育児は期間限定のプロジェクトX」「イクメンにならないと将来の離婚に繋がる」「寄せ鍋型ワークライフ」「イクジイ」といったキーワードの紹介がありました。(下記及び下図参照)締めくくりとして、「山形のパパが変われば、家庭が変わり、地域が変わり、企業が変わり、そして社会が変わる」という応援エールをいただきました。
Fathering(ファザーリング)とは?
- 父親であることを楽しもう
- 地球上で父親ほど素晴らしい仕事はない
- 育児は期間限定のプロジェクトX
- 育児は能力開発の機会、アナザーワールドへの入り口
- よい父親ではなく、笑っている父親になろう
男性の育児の悩み・課題
- 仕事が忙しくて育児時間が取れない
(育児家事時間=60分/日、育休取得=2%、有給消化率=50%未満) - 子どもとどう向き合っていいかがわからない。
- 子どもが生まれてから夫婦関係が悪化した。
なぜいま男性の育児参画に注目が!?
社会構造・経済状況・ライフスタイルの変化で子どもを産み育てることが難しくなってきた。
出産・子育てが困難になる日本の状況
- 家族モデルの多様化(核家族化75%に)
- 晩婚(晩産)→少子高齢化社会、労働力減
- 伸びない所得(必然的に増える共働き家庭)
- 長時間労働で女性(母親)が働きづらい
- 夫の家事時間が増えない。離婚(25万件)
- 育児ノイローゼ(産後うつ)、虐待、教育問題
- 都市化/マンション化(地域社会の機能不全)
- 旧来の男女役割や働き方の見直し→父親の育児・家事参加、女性の社会進出
出産・子育てが困難になる日本の状況
- 母親の育児ストレスが軽減される
- 母親も就労ができキャリアを継続できる。家計収入が伸びる
- 夫婦関係(パートナーシップ)が強まる
- 子供の成長にいい。言葉や社会性が早く身につく。子どもの良きモデルとなる
- 父親自身の世界が広がり、人生が楽しくなる
豊かな人生のための、寄せ鍋型ワークライフ・ハッピーバランスとは?
★ワークライフ・シナジー(仕事と生活の相乗効果)
「キャリア」の概念が変わってきた→キャリアとは、自分の人生を構成する一連の出来事
祖父支援~イクジイプロジェクトとは?
- 一緒に次世代育成~父親(パパ)と祖父(ジイ)の融合と協働。
- 中高年男性のエンパワーメント~定年は社会的リタイアではない!
- イクジイは地域・社会貢献のキーパーソン
イクメン5段階活用
- イクメン
- イキメン
- イクボス
- イクジイ
- ケアメン
第2部『家族・職場・地域で変えたいコト、変わったコト』についてのグループ討議
グループごとに分かれて、変えたいコト、変わったコトについて一人一人が付箋に書き出し、本音トークや実体験でのアドバイスがあったりと時間が足りなくなるほどの盛り上がり。グループ毎の発表では、皆さんうなづきながら共感されていました。
★安藤さんから締めの話として「話は聞いただけでは3日後には忘れてしまう。変わるには72時間以内に実践することが重要」との話があり、後日3人の方から感想と72時間以内に実践したことを寄せていただきました。
◆一人目(K.Tさん)
感想
参加しての感想は一言でいうと、近年「イクメン、イクボス」といった名前だけは聞いたことがありましたが、具体的な取組みや考え方を勉強することができて非常に有意義な機会となり、本当に参加してよかったです。
本来こういったものに積極的に参加し、自己の見直しや職場環境の変革に向けた参画が必要であると思いますが、会社から離れた外部の会議や講演はなかなかサラリーマンでは優先順位が後回しになる傾向にあり、現在まで出席の機会に恵まれませんでしたので、初めての参加で尚更良さを感じたところです。
ここ最近、イクメンといったキーワードが社会的にも認知・評価されているという気がして、ますますイクメンの発展に「やまがたイグメン共和国」の皆様からは特に尽力していただきたいと思います。私自身も、イクメンになれるよう寄与したいです。次回の機会についても是非出席したいと思います。
72時間以内に実践したこと
ファザーリングジャパンの安藤代表の講演の中に、自分の子供だけの親ではなく、地域の子供達の親にもなりなさいとの内容がありました。
72時間以内に取り組んだことですが、翌朝意識して地域の子供達に今迄以上に声をかけてみました。どうしても、自分のこどもばかり意識している気がして、もっと町内のこどもたちと関わりを持たないといい父親になれないかなと思ったからです。急激な変化にはならないと思いますが、徐々にいい父親&地域のいいおじさんになれるよう頑張ります。
◆二人目(H.Sさん)
感想
『パパが変われば山形が変わる』という興味深い内容だったので、初めてイグメン共和国のイベントに参加させていただきました。仕事と家庭の両立などとよく言われてますが、安藤さんの話では「天秤にかけるのではなく、仕事、家庭、地域、趣味など、自分が関わるもの全てを入れた『寄せ鍋型』にするんだ」という画期的なアイディアに感銘を受けました。
72時間以内に実践したこと
イベント終了後72時間以内に何かを実行するという部分では、お風呂、寝かしつけは普段からやっているのですが、それに加えて普段は妻に任せっきりの次男(1歳1ヶ月)の夕飯を食べさせ、食器洗いまでをしました。
これからは、今まで以上に家事、育児に積極的に参加して、人が集まって来るような寄せ鍋を作っていきたいと思います。
◆三人目(Y.Sさん)
感想
今回は、普段なかなか聞くことができない男性目線の家庭における悩み、苦労、葛藤を知ることができて、とても貴重な時間でした。とくに子どもと自分(パパ)の関係についての話題が多く、子どものことをそこまで考えてくれているパパが、こんなに山形にたくさんいるんだと感動しましたし、それだけ考えてくれていればきっと子どももその愛を感じているんじゃないかな〜と思いました。
パパが家事・育児・介護をする、それは家庭を豊かにする1つの手段であって、子どももママもおじちゃんおばちゃんも含めた家族みんなが、自分のできる家庭内の仕事を精一杯することが家族の幸せ作っていくことになるんだろうなと改めて感じました。
72時間以内に実践したこと
その日は家庭円満のために、帰ってから自分ができる精一杯の家の仕事をしました(笑)
パパたちが気兼ねなく家庭内のことを話せる場というのは、とても大切だと興味深くおもったところです。これからもそういう場の提供や、参考になるお話を発信していっていただきたいです。